ICL手術とは?メリット・デメリット

  • 2025年5月1日
  • ICL
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ICL(眼内コンタクトレンズ)とは? 仕組みと他の方法との違い

ICLは「Implantable Collamer Lens」という言葉の略で、「眼の中にいれるコンタクトレンズ」と呼ばれることもあります。

これは、柔らかく眼になじみやすい特別なレンズを「水晶体」の少し手前に、そっと入れこんで、見えにくい状態を良くする(視力を回復させる)手術のことです。

眼に入ったこのレンズが、メガネやコンタクトと同じように、見たものを網膜にちゃんと映してくれる役目をします。

ICL手術の大きなポイントは、レーシックみたいに眼の表面(角膜)を削る必要がないことです。角膜の形を変えずに、ただ眼の中にレンズを入れることで、見えにくさを良くします。

それに、もし何か困ったことが起きたり、これから先に別の眼の病気(白内障など)になったりしたときは、入れたレンズを取り出すこともできます。(これを「可逆性」と言います)

主に、近くや遠くが見えにくい方(近視・遠視)や、物がぶれて見える方(乱視)の見え方を良くするために行われます。

次の章では、このICL手術の良いところ(メリット)について、さらに詳しくお話しします。

 

ICL手術の「メリット」:なぜ選ばれる?

2025年の今、たくさんの人がICL手術を選んでいるのは、それだけメリットがたくさんあるからです。ここでは、ICL手術を受けると、どんなメリットがあるのか、分かりやすくお話しします。

  • 可逆性がある
  • 回復が早い
  • 手入れが不要
  • ドライアイになりにくい
  • 幅広い度数に対応
  • 角膜を削らない
  • 見え方の質が高い

もしもに備えてレンズを取り出せる(可逆性)

ICL手術のいちばんのメリットは、もとに戻せるということ。もしも、眼に入れたICLレンズが合わなかったり、将来的に眼の病気になって別の治療が必要になったりしたときには、レンズを取り出すことができます。これは、レーシックなどの角膜を削るレーザー手術にはない、ICLならではの特徴で、手術を受ける上での安心につながります。

手術をした次の日にはもう見えることも

手術をした次の日には、もう良く見えるようになった!と感じる人が多いです。人によって違いはありますが、前の生活にすぐ戻れる方が多いのもICL手術の良いところです。レーザーでの手術と比べても、手術のあとの回復が早いと感じる人もいます。

コンタクトみたいなお手入れがいらない

コンタクトレンズみたいに、毎日つけたり外したり、洗ったりする手間がまったくなくなります。だから、お手入れが足りなくて眼にトラブルが起きる(バイ菌が入ったり、アレルギーになったり)心配を減らすことができます。

ドライアイになりにくい

コンタクトレンズをつけていると、ドライアイになることがありますが、ICLは眼の中にレンズを入れるので、眼の表面(角膜や涙)への影響が少ないです。だから、手術のあとにドライアイになりにくいと言われています。コンタクトでドライアイだったのが、ICL手術で良くなったという人もいます。レーシックなど、レーザーを使った手術と比べても、手術のあとのドライアイが少ない傾向があります。

かなり強い近視や乱視でも大丈夫なことが多い

ICL手術は、レーシックなどでは難しかった「かなり強い近視」や「強い乱視」の方でも、手術を受けられる場合が多いです。幅広い見え方の程度(度数)に対応できるのも、ICLの良いところと言えます。

角膜を削らない優しい手術

レーシックのように角膜を削って形を変えるのではなく、眼の中にそっとレンズを入れる手術です。だから、角膜にある神経への影響が少なく、ドライアイになりにくいです。角膜が薄かったり、形に特徴があったりして、レーザー手術が難しいと言われた方でも、ICLなら受けられる可能性があります。

自然で質の良い見え方が期待できる

ICLレンズの中には、光をうまく通すように作られていて、特に夜の見え方(光がにじむ「ハロー」や眩しい「グレア」を抑えること)にも配慮されたレンズがあります。そのため、ただ視力が良くなるだけでなく、物の色の濃淡が分かりやすくなったりして、裸眼で見ていたときのように、もっと自然で質の良い見え方が期待できるのです。

これらのメリットを聞くと、ICL手術がメガネやコンタクトの面倒から解放されて、毎日をもっと楽に楽しく過ごすための、とても良い方法だということが分かりますね。

でも、どんな手術にも良い面とそうでない面(デメリット)があるものです。次の章では、ICL手術を受けるか迷っている方が、知っておくべきデメリットやリスクについて、隠さずお話ししていきます。


4. 知っておきたいICL手術の「デメリット」やリスク

ICL手術にはたくさんの良いところがありますが、手術である以上、やはり気をつけておきたい点や、知っておくべきリスク(デメリット)もあります。ここでは、可能性は低いものも含め、どんなことがあるのかを正直にお話しします。

どんな手術にもある、ごくまれなリスク

ICL手術は比較的安全性の高い手術ですが、どんな手術にも共通する可能性のあるリスクはゼロではありません。

たとえば、眼にバイ菌が入って炎症を起こしたり(感染症)、手術中や手術後に出血が少しあったり、一時的に眼が腫れたりする可能性が、ごくまれですが考えられます。

クリニックでは、このようなことが起きないように最大限の注意を払っていますが、頭の片隅には置いておくと良いでしょう。

夜に光がにじむ「ハロー・グレア」

ICL手術を受けた方の中には、特に夜に街灯や車のライトなどを見たときに、光の周りに輪が見えたり(ハロー)、光が眩しく感じたり(グレア)することがあります。これは、挿入したレンズのふちで光が乱反射することなどが原因で起こると考えられています。

多くの場合、時間とともに慣れて気にならなくなることが多いですが、数ヶ月、あるいはそれ以上続く可能性もゼロではありません。

眼の中の圧(眼圧)が高くなることがある

レンズが眼の中の水の流れを少し邪魔してしまうなどして、一時的に眼の圧(眼圧)が高くなることがあります。眼圧が高い状態が続くと、眼に負担がかかることがあるため、手術の後には眼圧が安定しているかをしっかり見ていきます。

もし高くなった場合は、目薬を使ったり、ごく簡単な処置をしたりして眼圧を下げる処置が必要になることがあります。

レンズが少しずれてしまう可能性

眼の中に入れたICLレンズが、予定していた位置からわずかにずれてしまうことが、ごくまれにあります。

もしずれによって見え方に問題が出たり、眼に負担がかかったりする場合は、レンズの位置を直すための簡単な再手術が必要になることがあります。

ごくまれに、もう一度手術が必要になることも

レンズのずれを直したり、上で述べたような合併症(問題)が起きたりした場合、非常にまれではありますが、再び手術が必要になることがあります。

また、将来的に白内障などでICLレンズを取り出す場合も手術が必要になります。

長い目で見たときの眼への影響

ICLレンズ自体は安全な素材ですが、眼の中に異物がある状態になることで、ごくまれに眼の細胞(角膜内皮細胞など)に影響が出ないかを長期的に見ていく必要があります。

特に、角膜内皮細胞は一度減ってしまうと基本的に増えない大切な細胞ですので、定期的な検査で状態を確認することが重要です。

また、古いタイプのICLでは白内障のリスク増加が指摘された時期もありましたが、最新のICLレンズではそのリスクは大きく減っていると考えられています。しかし、ゼロではないため、長期的な経過観察が大切になります。

手術を受けるための「条件」がある

ICL手術は、誰もが受けられるわけではありません。年齢や近視・乱視の度数だけでなく、眼の健康状態(眼の病気がないか、角膜の細胞の数が十分かなど)について厳しい検査基準があります。

この基準を満たさない場合は、ICL手術を受けることができません。

レーシックなどと比べて費用が高め

ICL手術は、多くの場合、レーシックなどの他の視力矯正手術と比べて費用が高めになります。

レンズ代などがかかるため、費用負担が大きいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。

手術のあとのチェックがとても大事

手術で終わりではなく、眼の健康と見え方を長く良い状態に保つためには、指示された通院スケジュールで定期的に検査を受けることが非常に重要です。眼圧やレンズの状態、角膜の細胞などをチェックしてもらう必要があります。

これらのデメリットやリスクについて知ると、少し不安になるかもしれません。でも、大切なのは「どんな可能性があるのか」を事前に知っておくことです。

これらのリスクは多くの場合ごくまれであり、手術前の詳しい検査でリスクをできるだけ減らし、もし何か起きても早めに対応できるよう、クリニックでは体制を整えています。

疑問や不安な点は、カウンセリングなどでしっかり医師に確認するようにしましょう。

次の章では、では一体どんな人がICL手術を受けられるのか、「適応条件」について詳しく見ていきます。